私の2003ツール・ド・のと

Reported by AYARAN

 <1日目>
 9月13日、午前5時15分。「いよいよだあ!」目覚めてすぐにそう思う。何と言ってもこの週は、ワクワクとそわそわでちっとも落ち着かなかった。クラスの子供に次の日の連絡を言うのに、2日後の事を言ってしまう始末。さて身支度を調えて家を出た。とくべいさんとの待ち合わせ場所に急いでいると、ボトルを忘れている事に気付いた。「なんてこと・・・」5分遅刻で松任へ出発。駐車場に着き自転車を下ろしてると、「AYARANさん、カードやゼッケンは?」と聞かれた。「はあ???」と私。
そう、前日にお店に受付後の荷物を取りに行ってなかったのだ。そんな事をしなくてはならないということすらわかってなかった。すぐにとくべいさんに社長に電話してもらい、会場に持ってきてもらう事で話がついた。ありがとう、とくべいさん。なんだか心配な会場入りだった。それからみなさんと合流してスタートを待つ。「これがツールの会場かあ。ここにいるたくさんの人たちはどんな気持ちで待ってるんだろう。」などと思ってるといよいよスタートのアナウンスが。みなさんも一緒なので緊張はしなかったが、引き締まった気持ちになった。さあ、スタート。
  omoteさんとY田君の後を着いて行く。信号でのろのろ。そうこうしているうちに内灘町に突入。家庭訪問した家の前も通った。「誰かにあったらどんな顔をしようか?」結局この思いは取越し苦労だった。サンセットブリッジも過ぎる。いつも一人でちまちま走る道なのに、今日は全然感じが違う。追い風にびゅんびゅん押してもらいながらあっという間に卵の休憩所。「休憩所ってこんなんかあ。」またも眺めてる私。ゆで卵一つと飲み物をとって先に進む。とくべいさんに引いてもらいながら昼食場所まで。途中に元同僚=飲み会仲間が沿道に出てくれてたが、通り過ぎてから気付いた。思わず振り向いたけど、遅かった・・・ありがとう。後でメールします。
  昼食会場に着くとすでに何人かが座っておられた。私も負けじとビュッフェスタイルからカルボナーラを取ってきた。ふとみるとomoteさんがボトルに水を入れ、そこにレモンを搾っている。なあるほど!と真似させていただきました。桜子さんと長岡さんたちも到着して、よかったよかった。こちらも出発。午後からも着いて行かなきゃ。出発したものの相変わらずの強風と高い気温でのどが渇く渇く。何度ものどを潤しながら富来の休憩所へ。でも台風の高波でそれどころでない。波しぶきを思いっきり浴びながら先へと進める。
  もう門前に入ったのだろうか、海岸線のキツイヘアピンカーブを登ってると、体が一瞬ふわっとした。あれれ??あ〜〜〜。視界が90度左へ。
なんと風にあおられて浮き上がったのだ。

して道の横のロープにぶつかって止まった。足を外してまたバイクに乗ろうとしたが、強風でそれもできない。仕方なく50mほど押して右に90度カーブしたところでまた乗り直した。しっかし、ほんとにこんな事があるんだ。面白かった?のは、私のすぐ後ろを走ってた人も同じ状態になってた。大丈夫だったかな?気を取り直してまたとくべいさんを追う。そうこうしてるうちに門前の休憩所。ここではかっし〜さんたちが出迎えてくれた。おいしかったなあ、スイカに 梨、そしてシュークリーム。今度は私のオススメのシュークリームをどうぞ。さあて、ここからはいよいよ円山峠。
  ここは8月に友達が能登に行きたいと遊びにきた時に、一度下見がてら登っていた。その時はわりとすんなり登れたからイケると思っていた。ところがこれが大間違いだった。登り出したもののいつものように進まない。ギアを軽くしてもなおさら進まない。みなさんはぐんぐん視界の向こうに消えて行く。え?なんで?でも現実は進まない。そのうち道は左に曲がり、勾配がきつくなってきた。目の前がチカチカしてきた。「夏の山岳練習の方がキツかったはずやんか?」と思うけど、どうにもならない。え〜〜なっ!くっやしい!そんな思いと裏腹にへろへろの走りで頂上に到着し、みなさんと合流。情けない思いで一杯だった。待ってて下さったみなさん、ありがとう。すぐに出発して後は勢いでゴールまで。ゴールした時はやっぱりいい気分。やったぜって感じ。以前ツールを走った友達が「走ってみたらわかるよ。」と走りきった時の気持ちを言ってたけど、まさしくこれだなって思った。荷物を受け取り、靴を履き替えて急いで鍋をいただきに。どの器も具がたくさんあってうれしかったな。しっかり味わって満足。全員ゴールし、宿に移動。
  夕食前に銭湯に行った時、シャンプーなどをいれた袋をみると、なんとそこにはカロリーメイトなどが入っていた。桜子さんに一式貸してもらった。助かった。なんか私ってこういう間抜けな事するんだよなあ。その後夕食を楽しく食べ、1日目終了。10時前には就寝。ちょっと体が痛いなあ。さて、明日はどんなだろう・・・・ブルーベリーソフトをたべるぞ!と思いながらおやすみなさい。


<2日目>
 夜中に何度か目が覚めた。5:15起床。アラームは5:30だけど、しばらく前から目が覚めていた。やっぱりどこか緊張してる?桜子さんは眠れなかったよう。大丈夫?それに比べたら私は早々に眠りについていたなあ。
 朝食、身支度を済ませ、桜子さんと宿の前にスタンバイ。前のベンチに座ってると、朝日が気持ちいい。昨日の天候がうそのよう。みなさんとスタート地点に向かう。スタート会場はもうたくさんの人。昨日からずっと大音響でテーマ曲?がかかっている。この時からこの曲は、この日一日頭の中をぐるぐる巡ることになった。
 さて、いよいよスタート。この日もomoteさんとY田君の後をついていく。輪島の街を抜けると、道はだんだん小さいアップダウンになってきた。ときどき出会う大きめの登りでうーんと差をつけられる。みなさん登りの速い事速い事・・・。平地と変わらないスピードでぐんぐん追い抜いてすいすい登って行く。それに比べたら何?っていう私だけど、それでもちょっとずつ他の人たちを追い越しながら坂道を登る。しばらくomoteさんに引いてもらいながら走る。「さあ、これでアップダウンは終わり。後20キロは平地やぞ。」この言葉を励みについていく。が、休憩ポイントの前の登りでまたまたうんと離された。こんな坂あるって聞いてないよ。でも、聞いてなくてよかったかも。休憩地では何も欲しくなかったけど、食べなかったらやられる・・・と思い、カステラのようなパンを口にする。とにかく暑い。昨日とは違う質の暑さ。さて、また20キロがんばるか。左手に見える海岸線がとってもいい。初めてこの景色を見た時、ホント感動したもんな。と、悠長なことも言っていられない。なんとかついていって、鉢ケ崎に到着。なんとここでも飲み物は***ドリンク!もういいって、これ。マズすぎ!おまけにぬるいし。でも文句いっぱい言いつつ、全部飲んでしまった。そのおかげではないだろうが、ここから昼食会場までは快調に走れた。
  昼食会場の運動場は、何度も来た事のある場所。このすぐ近くに『能登少年自然の家』がある。ここに仕事柄もう何度も来ていて、このグラウンドで遊んだり休憩したりしていたのだ。今私はここまでバイクで来ているんだ・・・って思うと不思議な気分になった。見なれた景色を違う気分で見ながら、あまり食べたくないお弁当を食べる。暑くて食欲がない。これも義務感で食べてる。誰かエラい人が一粒800kcalのようなものを作ってくれないかと真剣に思った。お弁当を食べながらこの先の話を聞く。どうやら一筋縄では行かない様子。私なら何筋必要なんだろう。でも、ブルーベリーソフトは食べるぞ!と決意を固くして出発。
  能都町まではまたまたなんとかついていく。リンゴを二つ食べいざ出発。いきなりの登り。すぐ近くにいたこばさんが「登り3キロということは、12分だな。」なあんて言いながらすいすい行ってしまった。じゃあ私は何分だろう?と思う間もなく苦しくなってきた。でも、負けないぞ!とペダルをこぐ。まだ大丈夫、足にも力が入る。ちょっと安心した。他の人より遅いけど、自分なりに走れたらなんとかなりそうだし。と思ってる間に桜峠までの10キロの登りに突入。きれいな道に入ると、なんだか右足のひざが変。はじめはピシッとひざがのびれば治りそうと思ってたら、少しずつ痛みに変わってきた。道は緩やかな登りが続く。なのに右のひざの痛みはひどくなってくる。当然ペダルが踏めない。ギアを軽くしても痛みは変わらない。進まない。痛いよう。(>_<)走りはトロトロ。もうチームのだれも見えない。足をまわすごとに感じる痛みが心にも響く。「どこまで走れるだろう・・」不安がだんだん大きくなる。でもとにかく桜峠まではがんばろう。やっとサルビアが見えてきた。これが長いって話だったなと思いつつ痛みと戦いながら進む。やっとの事であと1キロの看板発見。「助かったあ。」本当にそう思った。まさしくへろへろ状態で到着。みなさんを見つけた時はうれしくて心の中で涙してた。「ひざが痛い。」途端に言ってしまった。
  タッキーさんにエアサロンパスを借りてつける。どうか、効きますように!祈りを込めて吹き付けた。さて、ここは念願のソフトの地。おそるおそる食べる時間があるかと聞くと、大丈夫だとのこと。やったあ!!!早速列につく。前に5、6人はいる。ここは根が関西人、イラチの血が騒いで待ってられない。ようやく私の番。ソフトを受け取りご機嫌になった。この時だけはひざの痛みを忘れていた。Y田君にソフトと私の写真を撮ってもらい満足。おいしかったなあ。
  そうこうしてるうちに出発時間。「どうかひざがもちますように。」と願いつつ走り出した。が、やっぱり痛い。途中ギアの事などアドバイスを受けながら走って行く。いつもよりうんと遅い私にもいつも誰かがついていてくれる。悪いなあと思いながらも、本当にありがたい。感謝でいっぱいだ。能登空港へ到着。ここでも***ドリンク。やめてくれ〜。ここでは全部飲めなくて半分捨ててしまった。すぐに出発。穴水までがんばらなきゃ。痛みが軽くならない状態でなんとか穴水へ。聞くところによると、予定時間より随分遅れていて余裕がないとの事。おいしいふっくらものどにかっつめて決心。
もう出発しようと。

  またまたエアサロを借りて吹き付けた。「私、行きます。」というと、omoteさんが来てくれた。すみません。でもそこからはなぜか、今までの痛みが嘘のように取れていった。痛くない。走ってても痛くない。やったあ。omoteさんに平地はペース大丈夫かと聞かれ、「はい。」と元気良く返事。うれしかったな。そこからは上げたペースそのままでチームのみなさんとすしべんへ。そして左折。いよいよ能登島へ。アップダウンがまた激しくなってきた。でもひざは大丈夫。痛くない。でも登りはタッキーさん、omoteさん、とくべいさんに差をつけられる。それでもなんとかついて行き、橋を渡る。能登島だ。相変わらずアップダウンが激しい。「あともう少しですか?」とくべいさんにきくと「もう少しに思えるけど、なかなかあるんやって。」との返事。気を取り直して進む。痛みが取れただけで本当に楽になったしうれしくなった。そうこうしてるうちにゴールまであと5キロの看板が。地図で見るより大きな島だな(あたりまえか!)と思いつつ進む。もうすぐゴールっていうときに、先頭に行けとの指示が。ということで、2日目先頭でゴール!
 今日はひざの痛みという予期せぬハプニングがあって、一時はどうしようかと思ったけど無事ゴールできた。これもチームのみなさんのおかげ。マジにそう思った。その後、「今日は本当に迷惑かけました。」って言ったら、「迷惑なんかじゃ全然ないよ。」とか「そんなときのためにワシらがおるんや。」という言葉が返ってきて、本当に本当に感動した。この言葉でこのチームに巡り会えて、この人たちに出会えて本当に良かったと心から思った。いつか私もこうやって誰かにいえるようになりたいな、うん。みなさん、ありがとうございました。心配してた桜子さんたちも数々のエピソードとともにゴールしたし、よかったよかった。こうやって、感動の2日目が終わった。バス待ちの間に星を見ながらした話、Y田君に共通の知人がいた話なんかもおもしろかったな。


<3日目>  
  「ひざは大丈夫?」目覚めてすぐに思った。動かしてみたらちょっと痛みがあるものの、何とかなりそう。よかった。朝食後、バスに乗ってスタート地点へ。いよいよ最終日のスタート。今日もomoteさんとY田君の後につく。能登島大橋を通って島を出て七尾へ。とろとろと走りながら街を抜けようとしてる時、信号で止まった。ちょうど私で信号が変わるようなタイミングだったんで、渡る時「列に入らなきゃ、はみでる。」と思ったからか突っ込んでしまい、止まるやいなや右にばたっと倒れてしまった。このとばっちりを食ってしまったのがY田君。彼も倒れてしまい、チェーンがはずれ、足にちいさな怪我を負わせてしまった。
本当にごめんなさい!!!

    ちょっと気落ちしながら渋滞も抜け登りに入った。踏み込んでみるとまあいけそう。でもちょっと痛いのが気になる。自分のスピードでボチボチあがる。やっぱりみなさんはスピードが違う。今日は時々独走態勢にもなりながら、誰かいないかと前方に向かう。追いついては独走を繰り返しながら氷見の休憩所まで。桜子さんもほどなく到着。さすが!
 リンゴと飲み物をとって次は昼食場所までだ。実はここらから峠を除いて良く覚えてない。なぜだろう?峠の入り口くらいから祭りの集まりに出会った。たらたらと登って行くと祭りの集団のおじさんが、「あと1キロやぞ。」と声をかけてくれた。この辺りからまたひざが痛み出してきた。嫌な感じでなんとか登りきった。そこでは小学生がさわやかに水を手渡してくれていた。「これって、いつもビデオにでてるさわやかな風景やんなあ。」と思いつつ私も水を手渡してもらう。癖のない味がたまらなくおいしい。すぐに「アメ、どうぞ。」と手を差し出している小学生。「ありがとう。」と受け取る私だが、顔が営業用になっている気がしてひとりバツが悪かった。しかし、小学生のみなさんありがとう。そして引率の保護者や先生方、お疲れ様でした。そこからは一気に志雄へ。みなさんと木陰でとる昼食は、とっても感じがよかった。
  またまたエアサロを思いっきり吹き付けてスタート。ここからは何度も一人で、友達とで走った道。でも、こうやって走ると全然感じが違う。スイスイ進み高松の休憩所へ。ここのお菓子は何だったんだろう。せんべいって合わないなあ、ツールには。走り慣れた道をどんどん進む。そして河北潟へ。気がつくと前の方の4、5人が何かやってる。これって先頭交代?レースなんかでよくやってる。かっこいい!と眺めてたら離される。こんなこと思ってる場合じゃない。離されないように走る走る。チームタイムトライアルみたいでおもしろかった。長岡さんの言う、たばこの箱1個分の間っていうのがコワすぎてなかなかできなかった。それでも風からは随分楽させてもらったと思う。先頭を走っていた方々は、さぞかし・・・・すごいですね。清湖大橋下の交差点で信号待ち。毎朝通勤で信号待ちするこの場所も、今日はバイクで通る。これまた変な気分。踏切を渡り進むと、伝令が後ろからやってきて何か相談してる様子。何だろう?どうやらトラブル発生らしい。それも2件。それも何とかなったようでまた出発。ここからは街中の道で進んだり止まったり。サイクリングロードに入った時、1日目に通った時の事を思い出した。あの時は、これからの事が未知な事ばかりでワクワクとドキドキでいっぱいだった。でも今は違う。3日間走ってきたのだ。なんだか胸を張りたいような気持ちになった。すると、omoteさんが「今年初めて参加した人、前へ行って〜。」と。桜子さんより前にいたから私が先頭になった。いいのかなあ〜と思いながらもゴールの文字が見えてきた。やったああああああ!!!!!!!走りきったのだ。言葉にならない、この時の気持ち。でもすぐ後に「またこんな気持ちを味わいたい。」とも思った。
 その後、終わりのイベントに臨む。数々の景品があったけどなんにもあたらなかった。自分でいい女だと思う人大会では一度だけじゃんけんに勝ったけど、そこで終了。厚かましいってことだ。ツール・ド・沖縄も外れた。もしゼッケン番号なら大当たりだったのに。
で、当たったらどうしてたんだろう?思いっきりいらん心配。

 自転車で走りはじめて1年ちょっと。去年の今頃、まさか自分が派手派手のコスチュームに身をかため、ツール・ド・のと3日間を走るなんて夢にも思ってなかった。それがチームに出会い、納会に出て、ジャージなどをそろえて、何と言ってもバイクも購入した。そして練習に参加させてもらって、今日を迎えることができた。3日間走って言える事、それは本当にすばらしい3日間をいただいた事、来年の課題がハッキリした事、それと、夏の山岳練習の方がツールよりキツイかもっていうことだ。うん、絶対いえるだろう。
 
あらためてチームのみなさん、本当にありがとうございました。

 


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